2008年12月8日月曜日

マイ箸携帯運動のお箸とは

 環境問題への関心の高まりなどを背景に、最近ではマイ箸携帯する人や、それを普及するための携帯マイ箸運動も盛んになってきています。飲食店や居酒屋などによっても、マイ箸を携帯している人にはクーポン券やポイントを付与するなど、マイ箸携帯運動を後押しする活動も盛んになってきました。そもそも箸とは、日本以外の諸外国においても、広く使われている食事用の道具の一種です。箸は、二本一対になった棒状のものを器用に片手で持ち、箸先でものを挟んで移動させるために使われます。こうした箸は、お皿などに乗っている料理を挟んで、別の取り皿などに移したり、口に運んで食べるために使われることから食器の一種として位置づけられています。

 箸の材質は、国によってさまざまですが、その国で産出されるものや嗜好によって独特のものが使われているケースが多く見られます。日本国内では、箸の材質としては、種々の木、竹、金属、プラスチック、象牙などさまざまな素材で箸が作られています。こうした箸は、その性質上、口の中を傷つけることのないように表面を丁寧に滑らかに削ったり、漆や合成樹脂などで滑らかにコーティングしてあるのが特徴です。日本では、各人がその好みによってさまざまな素材や大きさの箸を選択して使っています。

 日本では、箸は食べ物を挟んで食べる目的で使う食器の一つとして、洋食器のフォーク・スプーンなどと並んで非常に広く用いられています。国内においては、洋食のレストランやホテルのレストラン、披露宴会場の洋食のケースであっても、お箸をお願いすれば用意してもらえるという日本ならではの箸文化というものがあります。これは、日本人は古くからお箸に親しんできたことから、特に、お年寄りなどを中心にフォークやナイフが苦手な人が結構いるから、お店が配慮しているからです。テーブルマナーの講習会でもない限り、国内のレストランでは、どこでも頼むとお箸を用意してもらえます。

 また、最近になってお箸の独特の形状と高い機能が注目されており、宇宙における活動においても、宇宙飛行士が食事の際に食べ物をしっかりと掴み持つことができるという理由で、宇宙空間では飛び散ってしまうナイフやフォークに代わってお箸が採用されています。宇宙飛行士になるためには、お箸が使えないとなることができない時代になってきました。しかし、箸での食事の生活習慣のない欧米人にとっては、このお箸の練習がかなり難しいようです。ただ、最近では、寿司などを始めとする日本食の流行を背景に、お箸を使って上手に食べている欧米人もかなり増えてはきています。

 しかし、日本人であっても、最近では、お箸を正しく持つことができない人が増えてきています。親自身が正しい箸の持ち方を知らないため、子供の中にはお箸を正しくと持てない子も増え、いわゆる、フォークのように握り箸で食事をする子供も見受けられます。テレビでタレントが料理を食べるシーンもよく放映されていますが、ちゃんとしたお箸の持ち方をしていないと、かなり見苦しく、その人の品性や知性まで疑ってしまいます。また、最近ではマイ箸を携帯する人も増えていますが、お箸の持ち方がなっていないと、飲食店の割引だけが目当てなのかと、せっかくの取組の姿勢までが疑われそうです。お箸の良き文化と正しい持ち方を次世代にも伝えていきたいものです。